何!?この新幹線!新型のぞみ?

 右の写真の新幹線を見たことあるかな?ん?あるぞ!確か東海道・山陽新幹線最新型の700系電車だ。
 でも、何かちょっと違うぞ!私の目がおかしいのか?この写真が色あせているのか?妙にボディが黄色いぞ!いつも走っている700系電車は、白色ボディなハズなのに・・・
 そう、別に目がおかしいわけでも写真が色あせているわけでも、ましてや塗装を間違えて塗ってしまってやっちゃった〜!わけでもない。この電車は、毎日安全に新幹線が走行するために欠かせない重要な電車なのだ。
 この電車の名称は、「923形新幹線電気軌道総合試験車」という。長ったらしい名前だが、走行しながら線路のゆがみや架線の磨耗具合などを検査出来るスグレモノの電車なのだ。
 この電車は、人間で言うところの「医者」のような存在だ。新幹線の路線上の悪い部分を見つけてくれる。そのため、この電車のことを、通称「ドクターイエロー」と言っている。
 ”ドクターイエロー”が登場したのは、今回が始めてではないのだ。今回登場したのは2代目である。初代は昭和49年に0系新幹線電車をベースに登場した(T2編成)。2代目は700系新幹線電車をベースに製造された(T4編成)。
 現在もT2編成が10日に1回走行させて検査を行っている。昼間に走行しているので、目撃した人もいると思います。この黄色い新幹線が走ってきたらイヤでも目に付きます。
 東海道新幹線は、2年後に全ての車両が時速270km運転になるのだ。現行T2編成の最高速度は時速210kmなので、このままでは営業列車のダイヤを乱してしまう。そこで、時速270kmで検査出来る新型ドクターイエローを投入したのだ。

 

 この電車の先頭には、前方監視用のカメラが付いている(右写真)。トンネル内や夜間でも線路の状況が的確に把握出来るのだ。夜間公園のベンチでいちゃつくアベックの姿も、昼間のように鮮明に見えるのである(新幹線はそんな場所通りません!)

 

 これはどこかの研究所の中か?と思うほど機器類が充実している。でもここは新幹線の中である。
 写真奥にはデスクの前に椅子が並んでいる。良く見るとこの椅子はキャスター付きのようだ。電車の揺れで転がっていかないのだろうか?ブレーキかけたら前のほうにころころ・・・、加速したら、後ろへころころ・・・、カーブでは横にころころ・・・。1両目にあった椅子が気が付けば7両目にまでころがって来ていた・・・なんてことがあるカモね♪(あるかっ!)

 

 この新型ドクターイエロー(T4編成)は初代(T2編成)と比べて格段に測定精度が向上している。
 測定時の速度は従来の210km/hから270km/hとなり、営業列車速度に合わせることでより実態に近い状態で検査が出来るようになった。
 また、軌道検査では従来の3台車方式から2台車方式に変更するとともに、測定方法も従来の3台車相対変位からレール変位量を算出する方法から、レーザー基準装置および各種変位計を用いた新方式となっている(右図)。これにより270km/hの高速でも軌道状態の診断を可能とした。
 さらに、架線状態の検査では、トロリ線に毎秒1500回レーザー光を照射、反射波を瞬時に画像処理することにより測定間隔を従来の58mmから50mmに短縮、測定制御の向上が図られている。

 

 現行T2編成もボディは黄色であるが、今回登場したT4編成はさらに明るい黄色(フレッシュイエロー)を採用している。これは目立つハズだ!
 この車両は、平成12年10月から13年夏頃まで、車両性能と検測性能確認のための試験が実施され、その後運用が開始される予定となっている。
 この電車を見たら幸せになれるというウワサも聞く・・・新幹線に乗る機会があれば、ちょっと気を止めて見てみよう!

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