新聞の写真、”点”の集まりって知ってました??

普段何気に見る新聞。そこには数多い字が並んでいる。また、写真もたくさん載せられている。
 今日はダニになって、ミクロの世界から見てみよう。
 私はダニのダニエルです。はじめまして。今、新聞紙の上にいます。私から見れば、この新聞紙の広大なこと。人間に換算すると東京ドームくらいの広さがあるだろうか・・・
 新聞紙の端から端まで歩くのに優に5分はかかってしまう・・・
 ふう、疲れた。ちょっとここいらで休憩しよう!
 おや?これは何かの文字かな?今私は左図の@のところにいます。さて、私から見たその文字をみなさんにお見せしよう。

@ うーん、これは「なわ」という字かな?こんなに大きく見えるのです。あの新聞の小さな字が私から見ればこのとうり。
 この絵をクリックすると、拡大図が出ます。拡大すると、なんと紙の繊維までもが見えます。人間から見れば平滑な紙の表面も、私には繊維の塊、人間に換算したら、草むらを歩いているようなものです。なかなかスムーズに歩けません。おっとっと・・・繊維に足を引っ掛けてしまった。危ない危ない、もうすこしで転ぶところでした。(ダニもつまずいて転ぶなんてあるのかっ?)←天のつっこみ
 さあて、休憩も終了。ちょっと進んでみよう。おや?今度はなにか点の集まりがあるぞ?これは何だろうか?

 ここは、Aの位置。
 私の目から見た光景はこのとうり。何が描かれているのかさっぱり分からない。なにか点がたくさんあるなあ。上の方は白の点々で、下の方は黒の点々があるなあ。
私は自慢の脚力を生かしてジャンプして上方から見て初めてこの写真が何か分かりました。そうです、この壷のような土器の底の部分なのです。色の濃いところは白い点々が、薄いところは黒い点々で表されているのですね。
 濃さの明暗は点々の点の大きさで調整されているのですね。これは見事だ。点の配列も規則的で、これが写真に見えるのだから、人間の目は不思議なものだ。
 さて、次の移動先はっと・・・

 やってきました、Bの位置に。
 ここは、さっきジャンプして上方から見て、グラデーションがかかっているところなのです。
 グラデーションはどうなっているのか・・・興味津々・・・
 なるほどっ!徐々に黒い点々が小さくなっているのか。

 さて、ミクロの世界はどうでしたか?
 一部分の拡大では全く分からない物も、離れて見るとなんでもないことなのですね。一部分だけにこだわらず遠目から広い視野を持って物事を観察することは、、全体像の把握が容易になり、新たな発見をもたらすのですね。みなさんも物事は大きく広くみるようにしよう!(ダニのくせにえらそうな口調!)

日本経済新聞(2000年5月18日)40項の記事を借用しました。