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世界最速列車「リニアモーターカー」の走行性能

 

リニアモーターカーは、山梨リニア実験線で平成9年4月走行試験開始以来、最高速度の記録更新が続いている。同年12月25日には世界最高速の時速550kmを記録した。

そのリニアモーターカーの試乗会が平成10年7月17日に行われた。試乗車両は右写真のMLX01型A編成

スタートダッシュはそれほど大きな加速感は感じない。約150km/hで浮上走行に移り、450km/hまで85秒間で到達した。要した距離は3.1km。

スペック比較

 

ハリアー

リニアモーターカー

全長/全幅/全高

4575/1815/1665mm

28000/2900/3320mm

車両重量

1650kg

30000kg(1両)

エンジン

水冷V型6気筒DOHC 220馬力

超電導コイル

700kA/4極/2列

定員

5名

46名(1両)

 

私は無謀にも愛車ハリアーでリニアに勝負を挑んだ。

ハリアーの心臓部エンジンには、トヨタ自慢のVVT−i(連続可変バルブタイミング機構)搭載のV型6気筒3000ccを積んでいる。対してリニアMLX01には超電導コイル起磁力700kA、極数4、列数2を搭載する(これはすごいのだろうか?)

両者とも準備OK。それでは、よーい、GO!!

ハリアーは自慢のV6サウンドを響かせながら鋭い加速で発進する。それに対しリニアはかすかなモーター音らしきものを発しながらゆっくりと発進。おそらく軽自動車にも負けるだろうと思われるくらいの加速だ。

ハリアーは、約10秒強で120km/hに到達。ちらっとルームミラーに目をやるとリニアはかなり後方にいる。この時点では、かなりの距離差が出ている。

約30秒後、ハリアーはリミッター作動の180km/hに到達。リニアとの距離はまだかなりある。しかし、この時すでにリニアは180km/hを越えるスピードまで加速していた。

油断していた。まだリニアとの距離はかなりあると思い、ルームミラーに目をやっていなかった。スタートから45秒後、180km/hで走行するハリアーの横を、リニアが270km/hで追い抜いてゆく。まるでハリアーが止まっているかのように優々と抜き去るリニア。

さらに加速を続けるリニアは、どんどんハリアーから遠ざかる。あっと言う間に私の視界から消え去った。わずか45秒で勝負は決まった。

その加速性能をグラフにしてみた。

比較材料として、私の愛車トヨタハリアーを起用した。

赤色の線がリニアの、青色がハリアーのデータである。

スタートダッシュは完全に自動車のほうが速い。しかし、スピードが上昇してくると、走行抵抗の大きい自動車はスピードが伸びなくなってくる。ここでは、リニアの路上との抵抗ほとんどゼロ(浮上走行のため)、空力特性フォルムが威力を発揮する。

リニアの実現はまだ先のことであるが、実現すれば東京−大阪間1時間強と、現在の最速列車「のぞみ号」の約半分の時間に短縮される。しかし、速度競争では巡航速度1000km/hの航空機にはまだまだ及んでいない。電車のセールスポイントである安全性、利便性、運賃の安さを生かして航空機との格差をはからないと、熾烈な顧客獲得競争に勝つことは出来ない。

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