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僕、池谷隆二(25)会社員、独身。生まれてこの方女の人と付き合ったこともデートしたこともない、いわゆるモテナイ君なのである。 合コン当日、旅行の話題から得意の電車の話題となり、話も弾んできた。その時、隣にいた女の子が話しかけてきた。 |
デートの前日、綿密なデートプランを練った。 早速電車大図鑑で調べた。 |
そして、待ちに待ったデート当日。早めに待ち合わせ場所である東京駅銀の鈴広場に到着。約束の時間までまだ1時間もある。 |
東京駅の新幹線ホームはややこしい。特に東北方面行き新幹線は、東北・秋田・山形・上越・長野の各新幹線が混在している。 |
そのホームには、見たことのない電車があったが、よく見ると「こまち」と同じE3系車両だ。しかし、色が全く違う。塗装を塗り替えたのかな?僕の電車大図鑑も古いし・・・それにしても、窓がやけに少ないなあ。それに、East i?って何だ? |
さて、僕たちの指定席は・・・何だこりゃ??座席がない・・・どうなっているんだ? |
さて、パニックになっている池谷君に代わって説明しよう! 東北・上越新幹線が開業して以来、E925形試験車(通称ドクターイエロー)が活躍してきました。しかし、この車両も登場から20年が経過し、以下の理由で新造されることになったのだ。 愛称名は、次世代の総合検測車にふさわしい名称を検討し、「East i(イースト・アイ)」とした。”East”はJR東日本の”東”、”i”は「intelligent;知能の高い」「integrated;統合された」「inspection;検査」という意味を持たせている。 新幹線であるのに在来線をも走る、新在直通運転区間である秋田・山形新幹線の検測も同一編成で行うこととなったため、車両には秋田新幹線「こまち」や、山形新幹線「つばさ」のE3系車両をベースに造られた。 電車の車内は、計測や検査に関わる機器がならんでおり、車内は電車という雰囲気が全く感じられない。 さて、池谷君たちはその後、どうなったかは知る由もないが、うまく秋田方面の検測日だったならもしかしてうまく秋田に到達したかもしれません。風の噂では、彼女はその日以降池谷君とは会わなくなったそうです。 |
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